5/6付の日経新聞に、「政府は、2024年3月を目標に自筆証書遺言をインターネット上で作成・保管できる制度の創設を調整する」という記事が掲載されていました。
いわゆる『デジタル遺言』の実現に向けた記事です。
遺言書を作成する場合は、主に公証役場で作成する公正証書遺言や自筆で作成する自筆証書遺言を選択することが多いと思います。
公証役場で保管してもらえ、不備のない遺言書を作成できる反面、原則、公証役場に出向く必要があり、公証役場への手数料が発生します。
財産目録を除いて全て自署する必要があり、要件を満たさなければ遺言書自体が無効となるなど、簡単に作成できるようでハードルが高いものとなっています。
また、法務局での保管制度があるものの、法務局に出向く必要があります。
上記のような特徴があるのが現在の遺言書の制度となっています。
「デジタル遺言」が法改正により認められると、自分のパソコンやスマートフォンで作成できクラウド上に保管することが出来ることになります。
そうなると、より遺言書を作成しやすくなるし、遺言書を作る人が増えるのではと思います。
手続きが便利になる反面、デジタル遺言には問題点も多くあるかと思います。
例えば、第三者が関与することなく遺言者の真意に基づいて作成されたものなのか、遺言者本人が作成したものなのか、保管したデータがきちんと管理できるのかなどが考えられます。
しかしながら、遺言書作成の選択肢の1つとして遺言書のデジタル化が円滑な相続を後押ししてくれることは間違いないと思います。今後、政府の動きに注目ですね。
2023/05