登記原因証明情報の作成権限


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先日、決済の相談をうけましたが法律要件を満たしていないため、この内容では受任することは出来ないとお話させていただきました。

どの内容だったかというと、少額の売買代金で不動産を取引したいので、所有権移転登記をお願いしたいというものでした。しかし、売買代金は発生しないということでした。

話を聞いていくと売買を行う当事者は親族でした。代金が発生しないのであれば『贈与』となるが贈与の場合贈与税が発生するため『売買』という形をとりたいというものでした。

我々司法書士は、登記申請を行う際に【登記原因証明情報】という登記原因を発生させる法律行為に関する内容の書面を作成します。上記のように本来贈与であるにも関わらず売買を原因とする内容の書類を作成することは嘘の記載を行うこととなり、職責に反してしまいます。

仮に少額であったり親族であったとしてもです。

民法555条では、「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」とされています。

つまり、売買という形をとるのであれば売買代金が発生しないといけない問うことになります。

このような話は、売買に関するものだけではなくて、他の登記原因であっても同様となります。

不動産の権利関係を正確に反映させるためには、申請される登記の真実性が担保されないといけません。そのためには、どのような権利変動があってどのような登記の申請がなされたのかを登記官に分かるようにする必要があるため、この登記原因証明情報作成の権限が司法書士に与えられているのです。改めて司法書士の職責は重いと考えさせられる内容でした。

令和5年1月10日 司法書士 梶原 司

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