包括遺贈に関するあれこれ


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今日は、包括遺贈に関する内容についてお話をします。

遺言に基づいて不動産の名義変更の依頼を受けまして、内容を確認した所、相続人以外のものに『包括して遺贈する』という内容の遺言でした。

包括遺贈とは、一般的には、相続財産の全部または一定の割合分を特定の人に遺贈することを言います。例えば、「遺言者は、遺言者の有する財産の全部を、遺言者の姪の〇〇に包括して遺贈する。」や「遺言者は、遺言者の有する相続財産の4分の1を甥の●●に遺贈する。」というような記載になります。

反対に、特定遺贈として、遺言者が相続財産んのうち特定の財産を具体的に特定して、指定した人に遺贈ることを言います。例えば、「遺言者は、遺言者の有する北九州市〇〇区△△町1-1の土地を孫の□□に遺贈する。」というような記載になります。

 

今日は、包括遺贈をメインにお話させていただきます。

包括遺贈は、包括受遺者については相続人と同一の権利義務を有すると民法986条で定められており、相続手続きに似たものもあれば異なる部分もあるため、ここではその一部をご紹介いたします。

登記申請】

遺贈による所有権移転登記は、包括遺贈、特定遺贈を問わず、登記権利者と登記義務者が共同で申請することとされています。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を要していますが、単独での登記申請はできないとされています。※なお、改正不動産登記法(令和5年4月1日施行)においては、この遺贈による所有権移転登記は、相続人に対する遺贈に限り、受遺者が単独で申請することができるようになりました。

農地転用手続き】

 包括遺贈による農地の所有権移転登記を申請するときは、農地法所定の許可を証する情報を提供することは要しないとされています。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するので、相続による権利の移転と同視できるからです。

 

このように遺言に記載する内容によっては、その後の手続きも変わってきます。

遺言に関するお問い合わせは、是非当法人までお願いします。

 

令和5年1月18日 司法書士 梶原 司

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