『判決』に基づく登記手続き


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抵当権抹消登記申請を「判決」に基づいて登記手続きを行う際、登記原因日付、登記原因をどうするのか非常に悩むことがあります。

それに連動して、この登記原因日付によっては、抵当権者に【相続】が発生した場合、いったん相続人に相続を登記原因として抵当権の移転登記を代位により行う必要があるのかどうかに影響を及ぼします。

前提として、判決の主文又は理由中において、権利変動の原因及びその日付が記載されているときは、その原因日付及び日付に基づいて登記申請するとされています。

実際は、判決文には、権利変動の原因やその日付が記載されていないこともあり、その場合『年月日判決』や『年月日不詳売買』のような記載になります。

今回の案件では、冒頭に記載した抵当権抹消登記申請を行うにあたり弁護士から受領した判決主文中に登記原因や登記日付が記載しておらず、かつ抵当権者が債権の消滅前に死亡していたケースでした。判決理由中に抵当権者の死亡前の日付で消滅時効が完成しているとありましたので、『年月日消滅時効』(※日付は理由中に記載のある日。なお、時効の効力は起算日にさかのぼり、通常は弁済期日とされています。)を登記原因として登記申請することが可能かどうかを法務局に問い合わせした所、『年月日判決』(※日付は判決確定日)でかつ前提として抵当権者の相続登記は不要との回答を得ました。

このような登記原因や登記原因日付がいくつか考えられる場合は、法務局に照会をかけることにはなりますが、前提としての知識をつけておくことが大事だなと感じました。

                       令和5年1月4日  司法書士 梶原 司

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